d06-トラ帯
武道全般に使えるように、動きはやめた。動きを入れると柔道や空手など特定の色に縛られるからである。年賀状の構図としては面白くなくなるが、大勢に使えるようにする事と面白さのどちらを選択するかで、前者をとった。迷うところだが、ここはやむを得ない。帯をトラの帯にした。誰でも考えつく安直な発想だが、これも黒帯だと使用者が限定されるので、帯の色にこだわらずにすむので、使いやすいと踏んだ。
使いやすさばかり考えると、発送も貧困になり、構図やデザインで制限を受ける。難しいところだが、もともとデザインなんて制限だらけの中で処理するものだと思う。何の制限もない仕事なんて世の中にそうそう多くはない。制限を受けつつ、思案する事で技術は磨かれるものだ。その割にお前は代わり映えしない…と言われると、返す言葉がない。
それにしてもここのところ34才の結婚詐欺の女がテレビを賑わしたと思ったら、今度は35才の女。お、女は怖い…。しかも騙されて殺されるのは、疑う事を知らない同世代の男である。何だかなあ…。テレビではぼかしが入ってるが、週刊誌や夕刊紙では顔は隠されずどかんと掲載されている。見るに、結婚詐欺をはたらけそうな顔には見えない。しかし、うちの社員によると、美人だと警戒されるから、ほどよい位が丁度良いのだそうだ。確かにそうかもしれない。身の丈にあった相手なら警戒心がなくなるって事だろうか…。ほどよいと思った同世代の方に同情を禁じ得ない。
実に人間の心理をついている。予定調和に人は安心感を覚える。この紋所が目に入らぬか!と、いつものワンパターンのシーンが出るのを分かって見ている人の心理だ。これが突然ご老公が切られて死んだりしたら困る。年賀状だって似たようなものだろう。毎年の儀式のように迎えるから人は安心する。正月の風情を感じる訳だ。
こうして作っている自分にも言えるのかもしれない。しんどいしんどいとぼやきつつ、現実逃避を図る部分がないとは言えない。考えさせられるのであった…。
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