c09-ご祝儀
おめでとうございますに、ぴったりの熨斗袋、祝儀袋である。祝儀袋の中には、互いの信頼や友情が詰まっている…なんていうのは、ちょっと臭くて今風じゃなくカッコ悪いかもしれない。ま、結婚した友人、結婚を間近に控えた知人に送るのも良いだろう。結婚する人に全員がおめでとうと言ってるかどうか不明だ。自分を置いていきやがって…と思う人あり、あんなイケメンを、美人をつかまえて…と思う人あり、それでも、おめでとうの意志を伝達するために祝儀袋を使う。例えそれがかりそめの気持ちであっても、祝儀袋はおめでとうを表現した袋なのである。
これまでに何度も触れている事だが、デザインは触媒である。素材をどう扱うか、情報伝達のお手伝いの意味がある。如何に分かりやすく情報を区画整理して増幅して伝えるかに意義がある。アートとは本来区別するべきだと考えている。(アート的なデザインがある事を否定している訳ではない。)1丁目、2丁目、3丁目と整理する。平たく言えば、賀詞は1丁目、絵は2丁目という具合に決め、混乱しないように配置をするのだ。優れた原稿は、原稿の時点で1丁目、2丁目がはっきりしている。デザイナーは、区画整理に時間を割かずに、本来の効果を増幅させる部分に集中できる事になる。
印刷の原稿なんて様々だ。手で殴り書きした原稿から、きちんと割り振りをした原稿、素人がそこまでするな!と言いたいようなレイアウトまでしてしまった原稿。タチの悪いのは、レイアウトするのに邪魔な要素のある最後の原稿である。タイトルを枠で囲まれたりしたら、担当者がそうしたいのか、たまたま囲ってしまったのか、逡巡する事になる。当然、情報が区画整理されていないので、一旦レイアウト原稿から生の原稿を作り直して、もう一度考え直すのだが、どうにもこうにも最初のレイアウトが頭から離れない。結果ろくな出来映えにならない。そこで大きくうなづいた貴方は、きっと同様の経験があるに違いない。意志の伝達とは本当に難しいものだと痛感する。
このデザイン年賀状は、いわゆる原稿がない。私自身が勝手に原稿を作って、勝手にレイアウトしている。年賀状の意志はどこにあるのかと問われれば、元々のコンセプトである元気の出る年賀状だ。それだけを頭に置いて作っている。残りは使う人が選択して、自分流にアレンジしてメッセージを添えれば良いようになっている。作ったのは私だが、差し出す時点で、使う人の年賀状になっているのが理想だ。このデザインは俺の為のデザインだ、私の為のデザインだ…と思って貰えばとっても嬉しい。
そして、あなたの意志を年賀状に載せて、友人知人に伝達してあげてください。
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